
タイ政府は農産物・食品、特に生鮮品の安全・安心を確保するため、生産現場から小売までの各流通の段階における品質の認証制度を確立しています。これらの基準をクリアした生鮮品や販売場所は認証マークが貼られ、消費者が購買する際の安心に寄与しています。タイのスーパーマーケットに出回る商品や市場の売り場で見かける主な認証マークの概要をまとめました。
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Qマーク 農業協同組合省管轄の各局が国家農産品・食品規格基準局(ACFS)が策定した規格基準に基づき、GAP、養殖GAP、エビ養殖HACCP、GMPなどの検査を実施し、これらに合格したものに対して認証マーク「Qマーク」が与えられ、ロゴの使用が許可されます。QマークのQは「Quality」を示しています。有効期間は1〜2年となっています。 |
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Organic Thailand タイ農業・協同組合省の農業局が認証する有機農産物の認証制度のマークです。有効期間は1年でタイ政府が最初に策定した有機農産物のガイドラインに従って検査官が生産地を検査し、農業局および有機農産物検査副委員会で審査が行われます。この審査に通過すれば認定書が発行され、「Organic Thailand」のロゴの使用が許可されます。 |
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民間団体の有機農産物認証マーク タイで最初に有機農産物の認証を実施したNGO(Organic Agriculture Certificate Thailand、通称ACT、現在団体名をIAOSに変更)による認証制度で国際的な有機農産物認証団体であるIFOAM(International Federation of Organic Agriculture Movements)の基準を採用しています。 |
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保健省の「Food Safety」の認証マーク 生鮮食品、加工食品、調理食品を販売する小売業者を対象にした食品の安全性認証制度です。 認証期間は1年間で保健省の医科学局食品品質・安全性部局が定める衛生基準に従い、現場検査と食品検査が実施され合格すると白いマークが授与され、3年連続で合格した場合は金色のマークが授与されます。 |
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食品・医薬品局の食品登録番号(オーヨーマーク) 食品法に従った食品分類のうちで、生鮮品・乾物・調理みの惣菜などの一般食品(食品法に定める)を除いた食品に登録と表示が義務付けられます。そのマークを含めた登録番号がオーヨーマークと呼ばれています。 |
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「残留毒素検査システム」の認証マーク これは野菜・果実の残留農薬を分析する検査システムを有している生産者や卸売・小売業者を認定する制度で、野菜・果実そのものが基準を満たしているかではなく、一定の基準を満たした検査設備や実験用具やスタッフなどの検査体制を完備していることを認証する制度です。 |
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工業規格基準研究所(TISI)の規格基準マーク 工業製品のタイ国の規格基準ですが、缶詰や調味料などの加工食品の規格基準も規定されています。規格基準に合致していることを義務付けている「強制規格基準」(政令で定める製品はその規格基準に従わなければならない)と「任意規格基準」があります。食品ではパインアップル缶詰が強制規格基準に指定されています。輸入を含めてタイ国内に流通しているパイン缶はこの規格に合致していることが必要です。 |
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エビ養殖の衛生基準の認証マーク エビ養殖におけるCOC(コード・オブ・コンダクト:行動指針)の認証で、エビの養殖業者の環境面および衛生面に配慮した適切な養殖方法や、卸売業者、加工業者の流通段階において農業協同組合省水産局が認証している。 |
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「Halal」認証マーク タイ・イスラム中央委員会によって認証を受けたハラル食品(イスラム教徒用の食品)のロゴマークです。タイでは牛乳やコメ、豆乳などによく見かけます。 |
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「Healthy Market」の認証マーク タイ保健省が全国の生鮮市場の衛生状態を認証する制度です。検査基準は@環境衛生面についてA食品の安全性面についてB消費者保護の面についての3分類で全部で49項目の検査があり、うち17項目以上合格した市場に認証書が与えられます。認証書には17項目以上合格した市場には3つ星、35項目以上合格した市場については5つ星が与えられるようになっています。 |
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「Thai Herb」認証マーク タイ産ハーブおよびハーブ製品の品質を保証する制度で、保健省医科学局が保証している。タイプ1とタイプ2があり、タイプ1は18種類のハーブを対象に、化学物質、微生物、砒素、重金属、害虫駆除剤の残留検査を実施しています。また、タイプ2については24種類のハーブを対象に微生物、砒素、重金属、害虫駆除剤の残留検査を行っています。なお、タイプ1に合格すると背景色が金色の認証書、タイプ2は銀色の認証書が発行されます。 |
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「Clean Food」認証マーク 全国の飲食店、飲食品販売屋台で衛星面の安全性が確保されていることを示す認証。検査基準は@飲食店経営許可および申請証明書が得られているかA各飲食店業態に設けられた衛生基準をみたしているかB食品、食器、調理人の手の雑菌(バクテリア)などの検査です。認証の有効期間は1年で発効から1年経つと検査員が再び来店し、再検査を行っています。また、 バンコクでは抜き打ち検査も行っています。 |
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「OTOP」認証マーク タイにおいて2001年にプロジェクトが開始された一村一品運動の認証マークです。一村一品運動はOVOP(One Village One Product)と呼ばれますが、タイでは村の単位のタンボン(Tambon)からOne Tambon One Product(OTOP)と呼ばれています。商品によってはこのマークの下に品質を認定した星のマーク(プロダクト・チャンピオンと呼ばれ5つ星まで分類されます)が併記されている場合もあります。 |