2011/12年度の主要農産物に対する洪水の影響
■野菜
●状況(洪水前)
①生産
全国の野菜の作付面積は190~200万ライとなっており、生産量は200万トン、1ライ当たりの収量は平均で1,500kg/ライとなっている。全国の各地で栽培することが可能であるが、主な生産地は西部のカンチャナブリ県、ラチャブリ県、ナコンパトム県である。②国内消費
国内消費量は約180万トンまたは生産量全体の90%で、65%(117万トン)が生鮮消費用で、残り35%(63万トン)が加工用で工場に出荷されている。③輸出
生鮮野菜/冷蔵および加工(缶詰野菜)の輸出向け生産量は約20万トンまたは生産量全体の10%となっている。2010年の生鮮野菜(キャッサバを除くHS07類)の輸出は輸出量が151,928トン、輸出額が47億3,152万バーツとなっている。2011年(1月~11月)の輸出量は210,230トン、輸出額は67億4,375万バーツとなっており、2010年の同時期の輸出量169,839トン、輸出額60億1,426万バーツより各18.49%、12.13%増加している。
輸出されている主な生鮮野菜は、アスパラガス、ベビーコーン、オクラ、トウガラシなどで主な輸出先は日本、英国、米国となっている。
加工野菜(HS20類)については、2010年の輸出量は284,484トン、輸出額は98億3,877万バーツとなっている。2011年(1月~11月)の輸出量は270,118トン、輸出額は98億6,231万バーツであり、2010年同時期の輸出量は258,835トン、輸出額は90億780万バーツであったため、各4.36%、9.49%増加している。輸出されている主な加工野菜は、トウモロコシ、ベビーコーン、タケノコの缶詰などで主な輸出先はEU、日本、ロシア、台湾となっている。●洪水後の影響と現在の状況
①生産
洪水の影響で被害を受けた野菜の作付面積は310,437ライでその全ての生産量が被害を受けたことから被害額は100.69億バーツ(1ライ当たりの平均生産量を1,500kgとし、野菜の平均価格を21.62バーツと計算)となっている。
現在は洪水の水が引いた状態で、野菜は作付けから収穫までの期間が長くなく、45~60日間のため、野菜の生産は通常の状態に回復している。そのため、市場への出荷量も増えている。②国内消費
洪水の発生時に短期的に品不足が発生した。これは輸送ルートの障害から発生した。現在、野菜の生産は通常の状態に回復しているが、消費者の購買力があまりなく、需要が低迷している。③輸出
野菜の主産地は洪水の影響をひどく受けていないタイ西部のカンチャナブリ県、ラチャブリ県、ナコンパトム県ということもあり、輸出向けの野菜が不足していないことや、ほとんどが契約栽培Contract Farmingであるため、洪水の影響を受けていない。④価格
2011年12月19日~23日の週のタラートタイ市場の野菜の市況は、洪水発生時期に価格が上昇した後で多くの種類の野菜の価格が下落した。現在、洪水の水が引き、天候が多くの野菜の成長に適した冷涼な天候であるため、市場への出荷量が増えている。一方で、消費者は出費抑えている影響でケールやセロリ、コリアンダー、ニガウリ、シャロットなどの野菜の価格が下落している。12月19日~23日の週のタラートタイ市場の卸売価格は各7.10バーツ、33.50バーツ、35バーツ、22バーツ、24バーツとなっており、12月12~26日の週は各8.30バーツ、44バーツ、48バーツ、25バーツ、32.60バーツであったため、各14.50%、23.90%、27.10%、12.00%、26.40%下落している。