http://www.oae.go.th/aeoc/index.php/th/data/7 (PDFの上から2番目です)
タイ語『ผลกระทบจากสถานการณ์น้ำท่วมที่มีต่อเศรษฐกิจการเกษตร ปี 2554 (2012-02-13) 』
『2011年の農業経済に対する洪水の影響 (2012年2月13日掲載)』
■農畜水産物の被害
農作物の被害面積の内訳は米が1,008万ライ(米作全体の約10%相当)、作物(サトウキビ、キャッサバなど)が188万ライ(作物全体の約7%相当)、その他の園芸作物(野菜等)が約80万ライ(園芸作物全体の約3%相当)であった。
水産養殖の被害面積は魚の養殖場が22万ライ、エビ・カニ・貝の養殖場が約5万ライ、魚籠(びく)・コンクリートでの囲い池が30万ライと、それぞれ全体の20%、24%、27%相当で被害を受けた。
畜産の被害は牛・水牛は39.4万頭、豚・山羊・羊は38.1万頭、家禽類が295.4万頭の飼育エリアに及び、それぞれ全体の8%、5%、4%に相当する。
表1 各分野別の農業面に対する被害面積
品目 | 被害農家(件) | 被害予測面積(ライまたは頭) | 全体作付け・飼育面積 | 被害割合(%) |
---|---|---|---|---|
作物(ライ) | 1,299,668 | 12,751937 | 122,999,526 | 10.37 |
米 | 10,079,708 | 66,077,655 | 15.25 | |
作物 | 1,876,310 | 27,324,828 | 6.87 | |
園芸作物およびその他の作物 | 795,919 | 28.593,033 | 2.78 | |
家畜用の牧草地 | 17,776 | 1,004,010 | 1.77 | |
水産(ライ) | 132,726 | 272,052 | 1,339,557 | 20.31 |
魚の養殖場 | 218,355 | 1,119,499 | 19.50 | |
エビ/カニ/貝 | 53,697 | 219,371 | 24.48 | |
魚籠/コンクリートの養殖地 | 300,739* | 1,099,856 | 27.34 | |
畜産(頭) | 254,670 | 30,317,232 | 367,254,611 | 8.26 |
牛・水牛 | 394,454 | 8,377,944 | 4.71 | |
豚・山羊-羊 | 381,228 | 10,161,076 | 3.75 | |
家禽類 | 29,541,550 | 348,715,591 | 8.47 | |
農業用地(ライ) | 13,023,989 | 131,595,547 | 9.90 |
注:1ライは1,600平方メートル
■農業GDPの影響
洪水の農業分野への被害総額は501.83億バーツとなった。そのうち、米の被害が最も多く430.82億バーツで全体被害の92%を占めている。その次に水産物の30.23億バーツ、園芸作物およびその他の27.78億バーツとなっている。
表2 市場価格による農業分野の被害額
生産分野 被害額 作物 466.26億バーツ 米 430.82億バーツ 作物 7.57億バーツ 園芸作物およびその他 27.78億バーツ 牧草 800万バーツ 畜産 5.34億バーツ 牛-水牛 500万バーツ 豚-山羊-羊 4,900万バーツ 家禽類 4.79億バーツ 水産 30.23億バーツ 農業分野全体 501.83億バーツ
国内実質GDPへの影響は1987年固定価格ベースで被害額は99.87億バーツで、当初予定していた洪水前の3,999.11億バーツから3899.24億バーツに減少すると予測され、実質成長率は洪水前の予想の4.8%から2.2%に減少すると見込まれている。
(品目をクリックすると詳細が見れます。)
生産 | 需要/輸出 | 価格 | |
米 | 雨季米: 洪水の影響を受け、当初の予測値の2,514万トン籾米(1,659万トン精米)から2011/12年の生産量は2,036.3万トン籾米(1,344万トン精米)に減少が予測される。 乾季米: 洪水の影響を受けず、2012年は1,111万トン籾米(733万トン精米)を生産することができると予測している。 |
洪水の影響を受けないと予測される。年始時点の在庫量が1,207万トン籾米(796万精米)、2011/12年の生産を加えると、4,354(3,147+1,207)万トン籾米(2,874万トン精米)となり、国内消費量の1,318万トン精米(月間平均で187万トン精米)は十分満たすことが可能である。輸出量は2011年より少ない850万トン精米とすると、706万トン精米が余剰する | 籾米の価格、各段階の市場の精米価格は上昇する。これは1)政府が担保融資を実施していること、2)ベトナム、カンボジア、ミャンマー、ブラジルなどの主要輸出国が洪水のため、生産量が減少しているためである。 |
作物 (キャッサバ、飼料用トウモロコシ、サトウキビ) |
比較的高地で栽培されていることや、生産量が価格が良かったこともあり農家がインセンティブを持ち、作付け面積を増やしていたことなどから、生産量は前年より増加傾向にあったことから洪水の影響はわずかなものにとどまっている。 【生産量】 飼料用トウモロコシ: 洪水前461万トン(被害25万トン) 洪水後436万トン キャッサバ: 洪水前2511万トン(被害40万トン) 洪水後2485万トン サトウキビ: 洪水前1億103万トン(被害2万トン) 洪水後1億101万トン(砂糖1,020万トン) |
国内需要および輸出については、洪水の影響は受けていない。被害の生産物は多くないため、消費および輸出向けに十分な量の生産物があるためである。 【国内需要量】 ・飼料用トウモロコシ:437万トン ・キャッサバ:760万トン(製品ベースで180万トン) ・砂糖:240万トン 【輸出量】 ・飼料用トウモロコシ:20~30万トン ・キャッサバ:1600~1800万トン(製品ベースで600万トン) ・砂糖:780万トン |
農家庭先価格は、国内外で需要が多くあるために引き続き良い水準になると予測している。 |
野菜 | 洪水の影響を受けている。被害を受けた野菜の作付面積は310,437ライで、被害金額は100.69億バーツである。 しかし、現在の状況は水が引いて通常とおりに生産ができる状態となっている。これは野菜の作付けから収穫までが長くないためで、平均で45~60日であることや冷涼な気候が多くの種類の野菜の成長に適しているため、現在、市場に出荷される野菜の量は増加している。 |
洪水の影響で国内需要量は減少している。これは洪水の影響で消費者の購買力が下がったためだと考えられる。 | タラートタイ市場の12月19日~23日の卸売価格はほとんどの野菜で下落している。これは生産が通常に回復していることから、市場に出荷される野菜の量が増加している一方で、消費者の購買力が低迷しているためである。 |
畜産(豚、鶏卵鶏、肉用鶏、牛-生乳) | 豚:洪水の影響をわずかに受けた。 これは農家が洪水の被災地の農場から繁殖用の豚や豚を他の生産場所に移動したりしたためである。被災した豚の数は生産量全体の2.50%とされている。 【生産量】 洪水前1,189万頭(被害30万頭) 鶏卵鶏-鶏卵:洪水の影響を受けた。 洪水の被災地で鶏卵鶏の移動が間に合わず、140万羽の鶏卵鶏の母鶏が被害に遭った。また、一部の農場で被害を避けるために鶏卵鶏を放し飼いにし、産卵数が減っ。そのため、短期的に鶏卵の生産量はわずかに減少している、。 肉用鶏:洪水の影響はわずかに受けたのみであった。被災地で1,423万羽の肉用鶏および鶏卵鶏が被害を受けたが、肉用鶏は1週間に平均で2,000~2,300万羽生産することができる。 乳牛-生乳:影響を受けていない。 農家が生産できる生乳の量は変化していない。しかし、洪水で学校が休校となりパスチャライズ調整乳の製造工場から生乳を購入していた大規模なUHT調整乳の製造工場の3件が一時的に閉鎖され、1日に平均314トンが生産される生乳が大規模工場に出荷できなくなった。このため、政府はその他の生乳加工工場に生乳の購入を増やすよう協力を求めた。しかし、長期的に見ると、UHT調整乳の製造工場3件が通常とおりに生産を開始しなければ、他の生乳加工工場は生産能力を超え、生乳が生産過剰になるであろう。 |
豚:洪水の影響を受けていない。 生産量は減少したが、洪水時に消費者の需要も減少したために、国内で生産された豚で国内消費量および輸出需要を満たすことができる。 【国内需要量】1,123万頭 【輸出量】約1万頭分 鶏卵鶏-鶏卵:短期的に被災地やその周辺で影響を受けた。 消費者が買いだめに走ったため鶏卵の需要が急増し、一部の地域で輸送経路に問題が生じ、商品が拡散されず、鶏卵が不足した。 肉用鶏:洪水の影響を受けていない。 鶏の飼育期間は短く、農家は消費需要に応じて肉用鶏を生産することや、輸出用のと蓄場の50%は被災地の外にあったためである。 輸送面での問題からパスチャライズ調整乳の消費需要は減少しているがUHT調整乳の需要は消費や保管に都合がいいため増加している。そのため、全体的に消費需要は安定している。 乳牛-生乳:一部で影響を受けたが全体としては安定している。 輸送面での問題からパスチャライズ調整乳の消費需要は減少しているがUHT調整乳の需要は消費や保管に都合が良いため増加している。そのため、全体として消費需要は安定している。 |
豚:洪水の影響を受けた。 これは洪水時に消費量が減少したが、洪水後、通常の消費に回復したことで、豚の価格が上昇したためである。 鶏卵鶏-鶏卵:短期的に洪水の影響を受けた。 農家庭先価格および小売価格は消費需要が増加し、輸送経路に問題があったため上昇しているが、水が引くと価格は下がるであろう。 肉用鶏:生産費が短期的に上昇した。 これは被災地で輸送の問題で肉用鶏の雛や飼料を入手することができなかったため、肉用鶏の価格が上昇した。しかし、生産計画が国内外の市場の需要に合っていることから、長期的には通常の価格に回復するであろう。 乳牛-生乳:農家庭先価格は影響を受けていない。加工工場の生乳の買取価格は閣議で規定されているため、生乳の加工工場が一時的に閉鎖した影響は受けていない。小売価格についても調整乳の価格は変化してない。 |
水産(養殖エビ・淡水魚) | 養殖エビ:洪水の影響は受けたが、一部にとどまっている。 主要なエビの養殖場は洪水の被災地の外にあったためである。 【生産量】 洪水前55万トン(被害6万トン) 洪水後49万トン 淡水魚:被災地の養殖場は影響を受けた。 天然の水が養殖場に押しよせ、魚が逃げてしまったため、淡水魚の養殖場や魚籠の被害は179,985ライの35,075トンとなった。 |
養殖エビ・淡水魚:洪水の影響を受けていない。 養殖エビは一部の被害があったが、国内消費量は生産に対して少ないため影響を受けていない。輸出も減少傾向にあることから、影響を受けていない。 【国内需要量】8万トン 【輸出量】41万トン 淡水魚は天然の水源から捕獲した魚で代替可能なため、生産量は国内需要および輸出需要を満たすことができると予測される。 |
養殖エビ・淡水魚:洪水の影響を受けていない。養殖エビは引き続き輸出需要があること、生産国で自然災害の影響で生産量が減少していることなどから価格は2011年とほぼ同じ価格になると予測される。短期的には輸送問題や年末の消費需要の増加もあり、価格がわずかに上昇すると予測される。淡水魚は生産量が2010年とほぼ同じであるため価格はわずかに変化するのみと予測される。 |
出所:レポートを基にAPCが整理
■農業分野における洪水被害の支援措置、復興・救済プロジェクト
農業協同組合省は農業分野で洪水の被害を受けた農家の復興・救済計画/プロジェクトについて準備をしており、短期・長期的なものとして次の5項目の救済計画/プロジェクトを策定している。(2012年1月4日時点の状況)
作物分野
- 米栽培農家で50%以上の栽培面積が被害を受けた場合、実際に被害にあった分の米の種苗が提供される。ただし、10ライを超えず、1ライ当たりにつき10kgの配給となる。
- 被害を受けた作物の栽培農家については、作物の種苗や短期間で栽培できる作物の種苗が配給される。
- 被害を受けた果樹や永年樹を栽培している農家および野菜を栽培している農家については、樹の種苗や野菜の種苗が配給される。
- 被害を受けた全ての農家は、整地の費用に1ライ当たり400バーツが支給される。ただし、農家1戸当たりにつき5ライを超えてはならず、最高で2,000バーツが支給される。
- 農家を維持するために食糧作物を栽培する農家を支援する。洪水の被害を受けた農家は野菜の種子/野菜の苗が支給される。これは家庭で消費することができる野菜を栽培する目的と、農家の支出を抑える目的があり、余剰分は販売してもよい。
洪水の被害を受けた水産物の養殖農家は、各家にティラピアの稚魚および魚の餌が配給される。
畜産分野
洪水の被害を受けた家畜の飼育業者には、地鶏や公売品種、アヒルなどの生後1ヵ月の家禽類の雛や餌・動物医薬品が配給される。
2.協同組合の組合員や農民グループの支援
- 洪水の被害を受けた協同組合の組合員/農民グループの負債の支援を行う。同時に、既存の負債の返済猶予を3年間延長する。
- 新たに融資を受ける場合の限度額を100,000バーツとし、3年間は利子の3%を政府が負担する。
- 亡くなった農民については、政府が負債を肩代わりする。
- 洪水の被害を受けた協同組合員や農民グループを対象とした復興および雇用の機会の形成、生活費用や洪水の被害を受けた家財の補修費用を支給する基金の準備を進める。
- 2011年の洪水の影響で協同組合の生乳の販売先がないという問題を解決するためのプロジェクトを立ち上げ、洪水被害者を支援するために協同組合から生乳を買い取ったり、協同組合にUHTパッキングの機材を設置したりする。
- 医薬品や器具を提供し、動物の健康状態の回復を支援し、洪水の水が引いた後の動物の疫病の流行を予防するプロジェクト。
- 洪水の水が引いた後の畜産農家を支援するために、動物飼料や干草、濃縮飼料などの動物飼料を生産するプロジェクト。
- 洪水後の川の流域 (ヨム川流域/チャオプラヤ川流域/コン川流域/ターチン川流域)で、年間20億尾以上の淡水魚を繁殖させるプロジェクト。淡水魚を捕獲し、農家の副収入として、あるいは家庭で消費することができるようにする。
- ウッタラディット県、チェンマイ県の地滑りの防止と復興プロジェクト。地滑りの危険性の高い地域の土壌や水を保護し、地滑りの発生した農地を復興させる。
汚水処理プロジェクトとして、洪水で発生した腐敗水を、汚水を分解する物質のサーン・レン・ポードー6*を使用して緩和する。
サーン・レン・ポードー6とは農業協同組合省土地開発局(LDD)が開発した微生物利用の汚水分解液のこと

http://r07.ldd.go.th/nan01/amazing/pordor/pordor6.html
5.機材や建築物の修理
19県で灌漑システムの被害を調査し、修復を実施する。30県の786ヵ所の協同組合/農民グループに、実際の被害の灌漑・建築物・農業機材に対する補助金を支給する協同組合/農業グループの財産支援プロジェクトを実施する。被害にあった灌漑システムのほか、建築物や農業機材などを修理するサービスを提供し、さらに洪水の被災地で農業機材の修理方法を訓練する。
■品目別の復興措置/プロジェクトの実施状況(2012年1月4日時点)
●米
(1) 2011年8月25日の閣議において2011年の洪水による米の栽培農家の特別支援のための規則、基準、順序についてが承認された。雨季の始まりの2011年5月1日時点で農業普及局で登録している農家を対象に、被害を受けた農地を100%として1ライ当たりの平均生産費の55%を支給することとし、1ライあたり2,222バーツが支給される。
(2) 米の農地の50%以上の被害を受けた農家には、実際に被害を受けた量と同量の種苗を支給する。ただし、10ライ、1ライ当たりにつき10kgを超えないこと。
(3) 農業協同組合は被害を受けた組合員である農家および農民グループに所属する農家の負債に対して以下のように支援する。
(3.1) 既存の負債の支払い猶予を3年間にする。
(3.2) 新たに融資を受ける場合、限度額を100,000バーツ以下とし、3年間は政府が利子の3%を負担する。
(3.3) 農民が死亡した場合、債務を取り消しとし、政府が肩代わりする。
(4) 農業協同組合銀行(BAAC)による支援
(4.1) 洪水の水が引いた後の農家、顧客に対する復興支援
○ 農民が死亡した場合、債務を取り消す。
○ 農産物が被害を受けた場合、3年間利子を控除する。
○ 生活再建のための融資を行う。例えば、住居の修理、農業資材の修理目的などで30,000バーツ以下とする。
(4.2) 職業復興支援
○ BAACが米穀局の運営するコミュニティの米センター84ヵ所とのネットワーク構築のために種苗基金を設置し、2トン以下の種苗を提供する。
(4.3) 職業斡旋局と協力し、農家とその子息に短期的な職業支援措置を実施する。
(4.4)BAACが教育機関、民間企業と協力して農業機材の修理措置を実施する。
実施状況:実施中
●作物
2011年の作物の栽培農家の救済プロジェクトは66県の被災地で約101.8万件(1,018,155件)の農家が対象とされる。予算は37.89億バーツ(3,789,471,450バーツ)で内訳は農家の支援が36.54億バーツ(3,653,795,250バーツ)、プロジェクトの実施が1.36億バーツ(135,676,200バーツ)である。
農家支援の目標
(1)農地の改善支援に1件につき5ライ、1ライ当たりに400バーツを支援する。予算は20.36億バーツ(2,036,310,000バーツ)である。
(2)家庭消費用の野菜の栽培の支援に1農家につき7品目、300バーツを支援する。予算は5.60億バーツ(559,985,250バーツ)である。
(3)農家の需要や生産計画に応じた作物や果樹、野菜の栽培の職業復帰の支援
○ 15万件の農家に対して野菜作物や栽培期間の短い野菜作物の栽培を奨励し、1農家につき10ライを超えず1ライにつき500バーツ支給する。予算は7.88億バーツ(787,500,000バーツ)である。
- 40,000件の農家に対して果樹や永年樹の栽培を奨励し、1件につき3ライを
超えず1ライにつき1,667バーツ支給する。予算は2.16億バーツである。
- 10,000件の農家に野菜の生産を奨励し、1件につき1ライを超えず、1ライにつき5,000バーツを支給する。予算は5,400万バーツである。
実施状況:洪水被災者復興救済委員会(Kor For Yor)で承認され、閣議の承認待ち。
●野菜作物および果樹
農業普及局(DOAE)が2011年の洪水の被災者の復興救済として、種苗を支援するプロジェクトを立ち上げた。対象となる農家は63県で洪水の被害を受けた農家で、支援する種苗はトウガラシ、ナス、ホーリーバジル、スイートバジル、バナナ、ナガササゲ、パパイア、キャベツの8種類で755万トンとなっている。同プロジェクトは2012年2月に終了する。
実施状況(2012年1月12日時点の情報):トウガラシ、ナス、ホーリーバジル、スイートバジル、バナナの5種類の種苗36.7万トンをチャイナート県、パトゥムタニ県、アユタヤ県、ナコンナヨック県、ナコンパトム県、カンチャナブリ県、アントン県、スパンブリ県、シンブリ県、サラブリ県、ヤソトン県、バンコクの12県に支給しており、それぞれ目標の4.86%、19.04%が実施済みである。
●畜産
畜産開発局(DLD)は家畜の健康状態を回復させ、疫病の流行を予防し、動物飼料を支援することや農家への畜産業を普及するために洪水の水が引いた後に畜産農家の復興および支援プロジェクトを立ち上げた。同プロジェクトでは以下の3つの活動が実施され、8.20億バーツの予算が配当される。
(1) 洪水後の家畜の健康状態の回復および疫病の流行予防プロジェクト
目標は150万頭の家畜の健康状態の回復とケアをする。予算は3.50億バーツ。
(2) 畜産農家を支援するための動物飼料プロジェクト
目標は洪水の水が引いた後の畜産農家を支援するために1万トンの動物飼料を生産する。予算は7,000万バーツ。
(3) 畜産農家の職業復興プロジェクト(家禽類の飼育で農家の収入を形成プロジェクト)
目標は20万件の農家に家禽類の飼育を奨励する。予算は4億バーツ。
実施状況:洪水被災者復興救済委員会(Kor For Yor)で承認され、閣議での承認待ち。
●水産
(1) 水産農家の職業復興プロジェクト
洪水の被害を受けた131,299件の魚の養殖業者は、1件につき4,000尾のナイルティラピアの稚魚および1件につき40kgの魚の餌が支給される。予算は4.31億バーツ。
(2) 農家が家庭内で消費したり、収入の足しにするために2012年に洪水後の川の流域で淡水魚を繁殖させ、自然の水源からの捕獲高を上げる。予算は4,500万バーツ。
(3) 水産生物の調査や状態を把握し、タイ湾の中の天然の水産資源を自然災害から守るプロジェクト。タイ湾の中の水質への影響や水産資源について調査し、水産資源や生態システムが回復するようにする。予算は31.56億バーツ。
(4) 危機をチャンスに変える水産プロジェクト
洪水の被害にあった養殖農家の復興のために、農家への訓練や品質の良い水産生物の稚魚、生産資材などを支給する。予算は4,800万バーツ。
実施状況:(1)および(2)のプロジェクトについては洪水の被災者復興救済のための委員会(Kor For Yor)で承認され、閣議での承認待ち。(3)および(4)についてはKor For Yorで承認を得ていない。